2024年7月19
こんにちは、Link歯科・矯正歯科駒込です!ついに梅雨明け!いよいよ夏が来ますねー。すでにかなり暑い日もありますので皆さん体調管理には十分注意してください。
最近、定期検診で来られる患者様に「親知らずって抜いた方がいいですか?」と聞かれることが多いので今回は親知らずについてお話ししたいと思います。
親知らずの特徴とリスク
永久歯(大人の歯)は親知らずを除いて通常で上下14本ずつ計28本あり、概ね14歳くらいで全て生え揃います。親知らずは生まれつきない人もいますが、ある場合は17-21歳ごろに生えてきます。しかし、日本人の場合は顎の大きさの問題で親知らずまできれいに並んで生えることは少なく、多くの場合は斜めに傾いて生えてしまったり、スペースがなくて埋まったままになってしまいます。その結果、歯ブラシで磨くことが難しくてむし歯や歯周病のリスクが高まります。
例えば画像のような親知らずを放置すると、手前の歯がむし歯や歯周病になってしまいます。親知らずとの間に位置にむし歯ができると非常に厄介で、むし歯治療が難しいもしくはできない位置になっているので軽度のむし歯でも手間の歯まで抜歯になってしまう可能性があります。親知らずは基本的に噛み合わせにおいて必要ない、もしくは悪影響すらあり得るため基本的には抜歯をした方がいいケースがほとんどです。
親知らずの活用法(歯の移植術)
親知らずの唯一と言ってもいい活用法は「歯の移植術」です。むし歯や感染などで抜歯をしなければならなくなった場合に、健康な非機能歯(噛み合わせに関与していない歯のこと、よく使用されるのが親知らずです)があり、サイズや形態が適応すれば抜歯部位に移植を行うことでインプラントのような人工歯根ではなく自分の歯で再度噛めるようになります。
上の画像が移植前のCT画像になります。右上の奥から3番目の歯が重度のむし歯により保存ができない状態だったため、一番奥に健康な親知らずがあったので歯の移植術を行いました。
下の画像が移植直後のCT画像です。このまましばらく隣の歯と固定をして、骨の治癒を待ちます。
移植の適応条件
- サイズが合うドナー歯がある(健康な非機能歯)
- ドナー歯が埋まってなく、簡単に抜歯が可能
- 若年者である(年齢的な制限はないですが、若年者の方が成功率が高いと言われています)
親知らずを残しておいた方がいいのはどんな方?
ここまでご説明した「歯の移植術」が必要になるかもしれない方は親知らずを残しておいた方がいい可能性があります。
つまり、若年者の方ですでに奥歯を大きく治療しているような方(神経をとっていたり、被せ物が入っているような場合は歯の寿命が短いことが多くなります)、かつ親知らずが真っ直ぐ生えていてむし歯や歯周病がない方については将来的に歯の移植術を行う可能性を見越して親知らずを残しておくことをご提案することもあります。しかし、かなり限られたケースになりますので親知らずについては抜歯した方がいい方がほとんどだということになります。
もし親知らずが気になっている方、抜歯について悩まれている方はぜひ一度ご相談ください!