2025年7月17

「歯の治療をした場合にどのくらい長持ちしますか?」とよく患者様に聞かれることがあります。
保険診療には残念ながら再発防止や予防という概念はあまりありませんが、近年では再発防止のための『精密治療』が普及してきております。
この『精密治療』を行うために導入されているのが **マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)**です。
ほんのわずかな違いが、治療の「成功」と「再発」の差を生むこともあります。
この記事では、
- マイクロスコープとは何か
- 従来の治療との違い
- どんな治療に効果的か
をわかりやすく解説します。
【目次】
- マイクロスコープとは?
- 肉眼との違い|どのくらい見えるの?
- マイクロスコープが活躍する主な治療例
- 導入している医院のメリット・選び方
- よくある質問Q&A
- まとめ:精度を求めるなら、マイクロスコープ導入医院へ
1. マイクロスコープとは?
● 歯科治療専用の顕微鏡
マイクロスコープとは、最大20倍程度の拡大視野で口腔内を見ることができる医療機器です。
医科の眼科や脳神経外科で使われる顕微鏡技術が、歯科にも応用されたものです。
● 肉眼では見えない“ミクロの世界”が見える
たとえば、
- 歯の内部の細い根管
- 削るべき虫歯の境界線
- ヒビや破折のような微細な損傷
など、肉眼やルーペ(拡大鏡)では見落とす可能性がある部分を、明確に確認しながら治療することができます。
2. 肉眼との違い|どのくらい見えるの?
視野の違い | 肉眼 | ルーペ(拡大鏡) | マイクロスコープ |
---|---|---|---|
拡大倍率 | 1倍 | 約2〜6倍 | 最大20倍程度 |
見える細部 | 限られる | やや詳細 | 非常に詳細 |
見え方 | 感覚・経験に頼る | 視認性アップ | 明確な視野で正確性が向上 |
光源 | 自然光/ライト | LED付きもあり | 同軸照明で影ができにくい |
→ マイクロスコープは、診断・治療の精度が飛躍的に上がるツールです。
3. マイクロスコープが活躍する主な治療例
【1】根管治療(神経の治療)
歯の根の治療は、わずか1mm以下の穴の中で行う超精密作業です。
マイクロスコープを使えば、
- 根管の分岐や見落とし
- 破折ファイルの確認
- 根尖までの処置精度
が向上し、再発率が大きく下がるといわれています。
【2】虫歯の除去・詰め物の適合確認
- 虫歯の「取り残し」がないか
- 詰め物や被せ物がぴったり合っているか
を高倍率でチェックできるため、長持ちする治療につながります。
【3】歯周病治療やインプラントの診断
- 歯石の取り残し防止
- インプラント周囲の炎症の早期発見
- 歯ぐきのわずかな異常確認
にも役立ちます。
【4】歯のヒビ・破折の診断
肉眼では見えない歯の亀裂や破折線もマイクロスコープなら発見できます。これにより、原因不明の症状などについて正確に診断ができる可能性が高まります。
4. マイクロスコープのメリット
- 再発リスクの軽減
- 歯を削る量が最小限になる
- ドクターと同じ視野を画像や動画で共有することができるので、患者さん自身もより治療経過がわかりやすくなります
5. よくある質問Q&A
Q1:すべての歯医者にマイクロスコープはあるの?
A:全てではありませんが、最近はかなり普及しているのでマイクロスコープがある歯科医院は多くなっていると思います。しかし、マイクロスコープを常時活用している歯科医院はまだ多くはないかもしれません。
Q2:マイクロスコープを使うと費用は高くなりますか?
A:保険診療ではカバーできないケースもありますが、治療の成功率や持ちを考えれば費用対効果は高いといえます。
Q3:治療中、患者側から見えるの?
A:当医院ではマイクロスコープの映像をモニターでリアルタイムに共有していますので、治療途中や治療後に画像や動画を患者様にお見せしています。これにより、患者様自身も治療の進行や経過が確認できるので安心して治療を受けて頂けます。
6. まとめ:精度を求めるなら、マイクロスコープ導入医院へ
マイクロスコープは、
✔ 虫歯の取り残しを防ぐ
✔ 根の治療の精度を大幅に向上させる
✔ 歯を削る量を最小限に抑える
という点で、現代の歯科治療に欠かせない存在です。
「せっかく治したのにまた再発した…」とならないためにも、
精密な診療環境が整った歯科医院を選ぶことが大切です。
当院では、マイクロスコープを使用した精密治療に対応しており、治療の見える化・安心感・再治療の少なさを追求しています。
お気軽にご相談ください!